令和4年度三重県公立高校後期数学入試問題より
今日も高校受験に関わるお話です。今年の数学の最終問題は以下の通りでした。
このような問題を見るとどうして良いか分からなくて手が止まってしまっていないでしょうか?こういうときのアプローチについて紹介します。最初のこの簡単な第一歩がとても大切です。
まず出来ることをとりあえずやってみる。ここでは条件がいくつかと図が与えられているので、その条件をそのまま図に書き入れてみましょう。例えばこんな感じです。
では(3)①の問題FEの長さを求めよ。ですって、FEを含む図形を中心に見ながら、何か気づくことないですか?勘でも構いませんからいろいろ試してみてください。
私は次のことに気がつきました。
そう。△AFGと△AECは相似でその比は1:3になっています。これをふまえると次のようになります。
このようにAE=18なのでFE=12ですね。ではつづいて②の問題。また最初の状態へ戻します。どこの三角形の面積ですかね?それを明確にしましょう。
△IECと△AGHは似ているように見えますが、相似かどうかははっきりしません。しかしながら、△IECと△IHGは間違いなく相似でその比は6:5であることが分かります。底辺と高さの比が分かれば面積比につなげられるかもしれません。
そういえば①の問題からAG:GC=1:2であることも分かりますね。ちょっとずつ結論へ近づけていけばいいんです。図にこの事実を書き入れてみましょう。
比が分かりましたので、少し具体的に考えていきます。慣れないうちはICの長さを図の通り
仮に6とします。そうするとIGの長さは5で、次のような3つの比をとらえることができます。
そう。IGを6とするとAGは11/2になります。
IC:AG=12:11 EC:GH=6:5だから(一方が底辺の比、もう片方が高さの比なので、掛け合わせれば面積の比になります)
△IEC:△AGH=(12×6):(11×5) =72:55
いかがでしたでしょうか?
まずは分かること出来ることを、頭の中だけでやるのではなく、書き出してみる。そうするだけで何かに気付いたり、突破口を見つけたりできます。
こういった、アプローチ法など少しずつ身につけてもらうのが理数研です。こういったごく簡単な手法で、すこしずつ目標へ少しずつ近づけていくアプローチは、頭で分かっていてもなかなか実行できないものです。理数研で繰り返し練習していきましょう。